男の秘密基地
Blog自分が組んだエンジンはデーターを取っています。
でも一旦、エンジンを分解する場合は何も考えずにバラバラにはしません。
組んだときのバルタイでも数年走ったエンジンではバルタイもずれている可能性が
あります。タイミングベルトの伸びであったり、ヘッドのバルブクリアランスであったり・・・
それらを踏まえてまたデーターを作ります。
また、私が組んでいないエンジンを分解することもあります。その場合では
エンジン特性を知っているのはオーナーのみ! ってこと。
そしてオーナーがそのエンジンにどのような気持ちを持っていたのか・・・・
それが良いにしろ悪いにしろ、聴いておくと参考になります。
エンジンを分解しながらデーターを取っているので
なぜ!オーナーがこのように感じていたのかの答えが出る場合があるからです。
これは非常に重要なことと私は思っています。
私の考えだけでエンジンを組むのは簡単なことですが、トータルで考えていくことも大事です。
理論上と違う答えもあるからです。
つぎに各部のカーボンのつき方が重要です。
ピストントップの状態や燃焼室の状態など・・・・
この燃焼室を見ると、バルブ回りの状態は少し湿ってるように見えます。
このような状態はアイドリング状態や低速域の燃焼状態がリッチ方向と考えれます。
しかし、EXバルブの白さと吸気側スキッシュエリアを見ると中高速域では
少しリーン状態だったのかもしれません。
エンジンに当たり外れがあるのは、クリアランスの違いや、機械加工で作られた部品等での
個体差なども関係があります。
例えばタイミングベルトを張る人間が3人いたとします。
では、張力を70%から95%の範囲内で取り付けすると純正規定値内になるとします。
そうなると、
1人は75%の張力で行った。
2人目は85%の張力で行った。
3人目は95%の張力で行った。
ではこの張力の違いでどう変化するのでしょうか?
あくまでも極端な例で説明していますのでエンジン内部ではたくさんの機械的ロス(フリクションロス)が
ありますのでご理解下さい。
75% の場合 ・・・ 摩擦係数が少なのでトルクが上がる。しかし、ゆるめに張っている分、
ピックアップは落ちる傾向になる。
95% の場合 ・・・ 摩擦係数が高い分、レスポンスが落ちる。しかし、低回転域~高回転域まで
バルタイの変動が少ないので安定する。
このように、同じエンジンであってもベルトの張り方だけでも左右する分がある。エンジンの中身は
たくさんのクリアランス調整があり、その値をどのぐらいにするかでレスポンスや耐久性や燃費など
が変っていきます。
次に
チューニングでよく使われる強化タイミングベルトなどは、張り方が難しいと思います。
何も気にしないで調整するなら純正品と同じなのですが、これはたくさんのセッティングをしてきて
気付いたのですが、高回転まで一気に回して行ったときのタイミングベルトの伸び方が純正品と
違うことが分かりました。
そしてそれは目で見てわかるものではなく、バルタイをなんども調整し色々と感じた点が
出てきたからなのです。
要はは、強化タイミングベルトを使った場合はそれを踏まえたバルブタイミングをとること
なのです。
適当なバルタイでOKとする場合では考える必要性もないのかもしれませんがね・・・・
オーバーホールひとつ!考えて組むことで良いエンジンにも悪いエンジンにも変るわけです。
おもしろいもんですなぁーーーーー