男の秘密基地

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怖いトラブルが!!!

エンジンが突如!始動しないと言うトラブルからピットインされたGTRですが!

お客様が言うにはタイミングベルトが”ゆるゆる”になってると・・・・

さっそく調べて見ました。

すると!確かにゆるすぎます。 これはもしかするとタイミングベルトの歯飛びかも

それによりタイミングがずれてエンジンが始動しないかもと・・・・

気になると直ぐにでもばらしたくなる性分が出てきてしまい!ご飯を外食ですませて再び店に・・・

しかし!

普通に考えるとバルブ同士が接触してイガメテいる可能性があり。

又、ピストンとバルブが当たって傷や曲がりをきたしてる可能性もあり。

こればっかりはエンジンをバラさないとわかりません。  ですが、一度タイミングベルト類を新品に交換

してエンジンを掛けて見るのも一つの手です。その際に圧縮テスターで点検してみようと考えています。

さてさっそくバラバラにしていくと

なんと! アイドラフプーリーが落ちていましたそれも、ボルトが折れていたのです。

こんなことがあるとはビックリしてしまいました

何故このようなことになったのでしょうか? 私は今まで何百機のエンジンを組んで着ましたがこんなの

みたことありません。 

色々と考えて見ましたが、このボルトが折れるなどとは考えにくいので、私が思うに

1、ボルトの締めすぎによるボルトの伸び。

2、数回にわたり締め付けされたための劣化。(オーバーホール等を3回以上あるなど)

つぎに、折れた角度から考えるとベルトの聴力が掛かる方へ折れている。これらも考えにいれると

1、タイミングベルトの張りすぎ。

実はタイミングベルトを張る上で気を付けなければならないポイントがあります。

整備書などで書いているベルト張力でタイミングベルトを張るのはあくまでも、純正ベルトであること。

今回このGTRはニスモ製が組み込まれていました。

ニスモベルトの場合はベルト繊維に強化ガラス繊維とアラミド繊維が使用されています。これにより

純正ベルトよりも摩擦にすごく強く、引っ張り張力も強化されます。そしてアラミド繊維の特徴でもある

引っ張り張力に強くなることで伸びが発生しずらい性質になるので、純正品と同じ力で引っ張ると

少しきつくなります。 これはそんなに問題にはならない程度なので純正と同じ張力で張ったならOK

となるのですが、私が思うにそれ以上にきつく張ったのではないかと言うことです。

チューニングするとパワーが上がり!その結果、回転数の上がるスピードが増すのでゆるいと歯飛び

をすることを恐れてきつめに張る傾向が多いようです。  実はきつく張る意識ではなく、もっと大事な

ことがあります。

それは各ギヤー間の張力を均一に張るという!一見当たり前のように思いますが、きっちり出すには

根気と経験と集中力が必要です。 私は、すごく時間を掛けます。 このようなところから小さな利点が

出てくるってもんです。 

例えば、セッティングするうえでのパーシャル領域でのピックアップは点火マップや燃料マップだけでは

ほんとの良さは出ません。 ベルトのたわみ量がどのようにピックアップをシャープにさせるか!これらと

セッティングマップがきっちり合うことで最高のレスポンスになっていくのです。

余談がすぎましたな

さて修理方法はとりあえず、ブロックに残ってしまったボルトの残骸を取り出さなければなりません。

取れるかな 嫌だな\\\\

エンジンが乗った状態での作業は非常に困難です。また、ネジ穴を修正しなければならなくなったときに

水平に穴を彫ることが出来るかが問題です。ここで最悪はエンジン脱着です。

次にとりあえずタイミングベルトを張ってエンジン始動させてみることです。

ここで様子をみて駄目なら残念ですがエンジンオーバーホールとなります。

最後にストリート仕様ではやはりタイミングベルトカバーは必要と思います。

昔はタイミングベルトむき出しがカッコイイ時代はありましたが、やはりストリートではリスクが多すぎますね^^

錆と砂ぼこりは危険ですしね